どうも、お久し振りです。長い間ほったらかしに

していた当ブログですが、ツイッターでは、どう

にも書ききれないことをお伝えしたくなり、

久し振りの更新とあいなりました。

 

お伝えしたい内容はタイトルの通りなのですが

原文を読んでいただきたく

 

「自然医学の基礎」 森下敬一著 美土里書房

1980年11月9日初版発行

 

より、該当箇所をそのまま転記したいと思います。

やや長文になりますが、よろしくおつき合い下さ

いませ。

 

なお、文字の色付けは、私がマーカーで色付け

した個所で、原文の文字は黒一色。アンダーライ

ンは私が線引きした個所です。

 

それでは、はじまりはじまり~。

(322~328ページ)

 

 

 

自然治癒力の実体

 

 では、自然治癒力と呼ばれているものの実体

は、いったい何なのか?実は、そのことについ

ては、まだ、あまりはっきりとは解明されていな

い。しかし、それに近いものだと考えられるもの

はわかってきており、さらに、その働きを賦活し

たり、阻害したりする決定的因子も、ほぼわかっ

てきている。

 前者の問題を扱っているのは、ピレマーという

学者の研究であり、後者のそれは、アンドレボー

ザンと私・森下の研究なのである。

 つまり、この三つの学説を総合的に考え合わ

せると、自然治癒力の問題は、矛盾なく説明で

きるし、実際の病気治しの場(臨床)でも、大い

なる成果が得られるのである。

 

 まず第一は、一九五五年に提唱されたピレマ

ーの説。

 ピレマーは、プロパージンという酵素系を見つ

けたのである。これは血液中から見つけたもの

で、一言でいうと、非特異的生体防衛酵素系と

いい替えることができるものだ。

 これまで知られている酵素というのは、ある特

定の物質にだけ作用するものであった。たとえ

、胃液中のペプシンという酵素は専ら蛋白に

だけ作用して、ペプトンという物質を生み出すと

いう働きのみをしている、といった具合だ。それ

で、酵素と、その酵素の作用を受ける物質を、

「カギ」と「錠前」の関係として説明されることが

多く、またそれで事足りてもいた。

 ところが、プロパージンと呼ばれる酵素系は、

非特異的であって、何にでも作用する性質をも

っているのである。

 そういう酵素系が、血液の中に存在しているこ

とを、ピレマーという学者が見つけ出すことに成

功した、というわけだ。

 そのプロパージン系の働きは何か、というと、

一言でいえば「生体を防衛する力の総元締にな

っている」というものだ。ということになると、これ

こそ、われわれ自然医学が「自然治癒力」と呼ん

できた現象の実体となっているものの一つと見な

してよいはずのものだ。これまで、ややもすると、

「自然治癒力」というと、現代医学の立場に立った

一般の人たちからは、非科学的だとの批判が出

ることも少なくなかった。けれども、決してそんな

ことはなく、レッキとした物質的根拠が存在してい

るのである。その証拠の一つが提示できる段階

研究が進んできたわけだ。

 ついでに、このプロパージンに関しての、ピレマ

ー自身の考え方を見ておこう。はたして、それも

さすがに、きわめて妥当なものになっている。す

なわち「プロパージンをより望ましい状態にもっ

ていくためには、マグネシウムが必要だ」という考

え方なのである。どんな酵素でも、それを活性化

するために必要なイオンがある。つまり、酵素の

活性度を高めるために、とくに仲よくしているミネ

ラルが一つか二つは必ずあるのだ。この非特異

的生体防衛酵素系にとっては、マグネシウムイオ

ンがそれに当たるわけである。ということは、逆に

マグネシウムがないと、せっかくのプロパージン

活性化しない、ということでもある。

 マグネシウムは、植物中に広く含まれている元

素である。とくに葉緑素に多く含まれており、それ

も活性度の高いよい質のマグネシウムは、野草

や自然農法による野菜など、野性味の強い植物

に含まれている。だから、良質のマグネシウムを

豊富に含むそれら野草や自然農法野菜を、食物

として摂れば、プロパージンは大いに活性化され

るわけだ。

 なお、マグネシウムイオンと同様、プロパージン

の活性化に欠かせないのは銅イオンである、とい

うこともピレマーは指摘している。銅イオンは、小

魚貝類に多く含まれている。

 私どもの自然医学理論は、“いわゆる菜食“の

考え方とは異なって、小魚貝類を接種する意義を

大いに認めているところが、大きな特色の一つに

なっているのだが、このように全く別の角度からの

研究によっても、われわれの考え方の正統性が

裏づけられたわけだ。

 ちなみに、小魚貝類とくに貝類は、「緑の血液」

をもっている。赤貝などは赤い血液になっている

が、あれは赤い色素が少し含まれているだけで、

ベースは緑の血液であることに変わりはない。ま

た、発生学的に貝類よりも下等な動物の血液も、

やはり緑である。そして、その血液の“緑“を生み

出しているものが、銅イオンなのである。

 私どもは、自然医学の理論から、「健康体なら

ば、浅い海で手づかみできる小魚貝類は摂って

もよろしい。むしろ必要である」という考え方を引

き出し、提唱してきているわけだが、ピレマーの

プロパージン説の立場からも、この考え方が妥当

であるという裏付けを得たわけだ。

 なお、ピレマーはプロパージンに関して、いろい

ろな研究をおこなっているが、その中の一つに、

プロパージンの大量投与によって、ガンを治した、

というケースがあることも報告している。たとえば、

死刑囚から志願者を募り、彼らの体にガンを植え

つけた上で、プロパージンを大量に与えたら、ガ

ンは消えてしまった・・・というのが、それ。

 このように「消ガン現象がおこった」ということは、

ガン撲滅ではなくて、まさしく本当にガンを治癒す

る効果が現れている、ということである。

 プロパージンが、自然治癒力の実体であってみ

れば、そのような効果が得られるのも、むしろ当然

の話といえよう。いずれにしても、プロパージンの

意義は、今後とも大いに重視していかなければな

らない。

 

(後編に続く)

 

 

 

 

本日は以上です。ありがとうございました。